嵐・大野智の支持される「リーダーシップ」とは
国民的人気グループ嵐。
説明不要のアイドルだが、今や世界中にその名を轟かせている男性アイドルグループである。
ジャニーズ事務所に所属しており、グループでの活動はもちろん、メンバー個人の活躍ぶりにも注目が集まっている。
メンバー同士の仲の良さも人気の理由の一つであり、これまでに数多くの人気曲を世に輩出してきた。
メンバー同士の仲の良さが、ここまでブラウン管を通して世間に伝わってくるアイドルは、他にはいないだろう。
だからこそファンは離れず、結成から20年経った今でも人気は途絶えないのである。
老若男女問わず絶大な人気を誇る中、リーダ大野の申し出により、2020年いっぱいでグループ活動を休止すると電撃発表をした。
2020年12月31日活動休止予定で、解散は否定している。
グループとしての活動再開の時期については明言しなかった。
彼の「何事にもとらわれず、自由な生活がしてみたい」という提案により、国民的人気グループが活動を休止することになったわけで、関係者やファンを含め、大勢の人間が関わる大プロジェクトを、一人の人間の決断によって停止させることになってしまったわけである。
しかし、彼の言動を否定する意見は、嵐のメンバー内からはもちろん、世間からも、びっくりするほど聞こえてこない。なぜだろうか?
大野智の「自己主張をしない」リーダーシップとは。
大野智のプロフィール
生年月日:1980年11月26
出身地:東京都三鷹市
血液型:A型
嵐の最年長でリーダー。
バラエティーなどでの愛らしい姿とコンサートなどでの迫力あるダンスや歌声とのギャップに虜となってしまうファンが多い。
個人でも朝のラジオのレギュラーを1本抱えている。
ジャニーズで常に1位、2位と高く評価されている歌声から、これまでに別名義でソロ曲をいくつか発表している。
また、嵐では曲の振り付けを担当することも多く、誰も思いつかないような振り付けを取り入れファンからの注目を集めている。
絵がうまいことでも有名。
小学3年生のころから絵に触れるようになり、芸能活動と並行して創作活動も行っている。
その腕前はテレビや雑誌などでも披露しており、美術家レベルとも言える作品たちが高く評価され、2008年と2015年に個展を開催した。
2012年と2013年には、「24時間テレビ」のチャリティーTシャツのデザインも手掛けた。
リーダー大野智の、「活動休止」という衝撃の決断を、なぜメンバーや社会は受け入れられたのだろうか。
それは彼の、嵐をまとめ上げてきたリーダーシップ性にあるだろう。
リーダーになっている人というのは一般的に、失敗を恐れずに難関を乗り越え、「チャレンジ」することを楽しみ、開拓者的な強い達成動機を持っている人が多い。
グイグイ周りを引っ張っていくタイプである。
また、自己主張も強い。
しかし普通の人の感覚を持ち合わせていない為、その「チャレンジする事が怖い」という様な人たちの気持ちを理解する事が難しいとも言えるだろう。
嵐というスーパーアイドルグループを20年近くもまとめ上げ、ここまで成長させてきた彼のまとめ方は、それとは違うのだ。
空気と役割を読む力。
そして、1人ひとりのキャラを熟知し、流れをみることに集中する。
自分の主張の前に、チャレンジを勧める前に、相手のことを何でも受け入れようとすること。
そうすると自然と、一人一人の良さを引き出すタイミングがわかってくるもの。
人は本能的に、命令する人には歯向かうが、受け入れてくれる人だと逆にこちらが動こうというスタンスに変わるものだ。
大野智の名言はいくつもある。
-僕、本当に適当って言葉が好きです。まあ、適度みたいなことですよ。いい意味なんですよ。適当って。気持ちが楽になるしね。だから僕好きかな。まだ何とかなるよ。だから失敗してもいいんですよね。
-無理したらしんどくなっちゃうし、追い込まれちゃうでしょ。無理しなくていいんだよ。大丈夫だから。
-(学校に行きたくないと思っている人へ) 今でこそ仕事に行きたくないって思わないけど、Jr.の頃は行きたくなくて行かなかったこともある。行きたくないなら、行かなきゃいい。無理してでも行けなんて言わない。無責任な頑張れも言わない。
-カッコいいと思う人は、自分のやりたいことを貫いている人。「努力してる」って言ってる人の努力なんて、すごいちっぽけ。ほんとに死に物狂いで努力してる人は絶対にその姿を見せない。
-今、目の前にあることを頑張れないやつが、何を頑張れるんだ
-5人の中で誰が一番でなく5人で一番なんだ
上記の名言からも、彼の人間性が伺えてくる。
頑張りすぎないで。でも努力はしよう。その結果が、国民的スターとなった嵐なのだろう。
静かで、空気を読んで、出る時は出るという「応援される系」。
彼らしい、「何事にもとらわれず、自由な生活がしてみたい」とうい決断が、単なる気まぐれではなく、熟慮を重ねた末の判断であることがメンバーにも、また世間にも伝わって理解を得られたからこそ、その気持ちを尊重しようという気持ちになれるのだろう。
「ここに立ってる。僕たちが今、輝けるのは君がいるから。5人でいる、ずっといる。」
これは「5×10」という曲の歌詞の一部である。
この曲はデビュー10周年記念としてメンバーが作詞を手掛けたもので、これからもずっと5人でやっていくという強い意志が込められている。
この曲を聴いて感動するファンは多く、15周年のライブでも歌われた思い入れのある曲として有名である。
活動休止まであと1年少し。5人でずっといる、という言葉をいつまでも信じたい。